2015年1月4日

ボーカルミックス覚え書き【備忘録】

最近ボーカルミックスのお手伝いをしていたりするのですが、
今日はその中で見えてきた事や、自分的に「覚えとかないと!」と思った事を書こうかと思います。

あくまで「ほぼ独学の自己流」で、備忘録としての側面が強いので、需要があるのかどうか、まったく分かりませんw
まぁせっかくだからブログに書いて、誰かの為になれば良いし、ならなくても中上級者の方に
「いやいや違うから…」
と突っ込んでもらえるかもしれない…という期待を込めて書いてみますw



という訳で、順を追って書いていきます!


オーディオデータとDAWのテンポを合わせる



例えばボーカルを切り貼りして加工する場合なんかは、DAWと音源のテンポが合っていないと非常に面倒です。(最初は何回も再生して感覚でタイミングを合わせようとしてました…w)

また、CubaseだとDelay系のエフェクトは拍子単位(4分、8分、付点8分みたいな感じ)でエコーを作ったりするのですが、これはDAWのプロジェクトのテンポに依存します。
例えば、テンポ4分140の曲をCubaseの標準テンポ(4分120)の設定でディレイをかけたりすると、なんか変にもたついたり、気持ち悪い感じになってしまいます。
(うまく説明出来てませんが、ちゃんと設定しないととにかく気持ち悪くなりますw)

他にもプロジェクトのテンポに依存するプラグインもあるみたいなので、やっておいてマイナスはないかと思われます。
という訳で、僕は必ず最初にこの作業を行っています。


ボーカルのピッチ・タイミングの修正



正直、自分の中では一番苦労するステップです。
原曲知ってればいいけど、そうじゃなければ曲を覚える所から始めないとできませんしね…。

とは言え、例えば依頼されたミックスの場合、依頼主の意向によってやらなくても良い(やってはいけない)事もあります。
まぁ、プロでもない限り完璧なピッチ、タイミングで歌うのは難しいので、やはり修正する場面は少なくないのかな、と思います。

ピッチ修正のプラグインやソフトウェアは『AutoTune』を始めたくさんの製品がありますが、Cubaseを使ってる方なら標準装備の『Vari Audio』機能で十分だと思います(あくまで初心者のうちは…)
使い方に関しては、ググればいくらでも出てくるのでここでは割愛させて頂きます…!

あと、ピッチ修正是非論争もあるかと思いますが、僕はあんま気にしてないのでここも割愛…笑
同人なんだったら好きにやれば良いじゃない!←


ボーカルの加工



例えばケロケロボイスにしたりとか、カットアップ入れたりとか、ラジオボイスにするとか、定位を動かしたり…ですね。

ケロケロにする際はピッチ修正は必須です。
しないととても間抜けで気持ち悪い感じになります…。

ちなみにCubaseでケロケロボイスをやろうと思ったら、元のボーカルのピッチが大体合ってれば『VariAudio』でちょっと音程を修正して平坦にするだけで出来ます。
意外と簡単に出来るので僕も最初はビックリしましたw

元ボーカルのピッチが全体的にアレな場合は『Pitch Correct』というCubase標準装備のプラグインを使うのも手です。(他のDAWにも似たようなのが装備されてるという話を聞いたような聞いてないような…←)

これはオーディオデータの音程を強制的にMIDIデータで修正(加工?)するというものです。
こんなに簡単に出来るなら最初からコレ使えばいいじゃん!と思ったのですが、トラック数が増える上に、ひとつ余分にプラグインを立ち上げるので負荷が大きくなる…といった短所もあります。
ていうかそもそも、ボーカルのリズムが合ってなければまともに使えませんw

他にもボーカルの加工には『Glitch』等の面白いプラグインもあるのですが、長くなりそう(そもそもうまく解説できない)ので割愛。


ボーカルの音量を均一にする



こう書くと少し語弊があるかもしれないのですが、簡単に言うと「ボーカルの飛び出して音量の大きい部分を抑える」という事です。
全体の抑揚(ダイナミクス)はそもそもミックスでどうこうするモノではない(と勝手に思っている)です。

ここで、明らかに意図しない形で飛び出している部分の音量を下げます。
上手く線を書かないと不自然になってしまうので、書いては聴き、書いては聴き…のトライ&エラーで頑張ります。
この作業は後々仕上げで音圧を上げる際なんかにすごく響いてくるので重要です!

ちなみに、よく『手コンプ』なんて言われたりします。コンプレッサー(音量を均一にする)を手で行う、そのまんまですw


ボーカルの音作り



ここからはエフェクトや定位の設定をして、ボーカルの音色を色付けしていきます。
この作業は人によって手順や方法にかなりの違いがあるので、あくまで一例として見てくださいな。

1、定位を決める
一般的なのはメインボーカルが真ん中、コーラスは複数ある場合は左右に広げる事が多いようです。
曲や依頼主さんの意向によっても大きく変わってくる部分なので、臨機応変に。

2、DeEsser(ディエッサー)をかける
人の声は「サ行」なんかを発声する時に、音程のない結構耳障りな音が多く含まれてたりします。
この耳障りな音を都合よくカットしてくれるのが『ディエッサー』様です。
よく分からなくても、とりあえず差しておけばそれなりの効果が期待できる優れものです←
もちろんきちんとしたパラメーター設定すればそれだけ効果は上がるので、ちゃんと勉強しましょう(自分に言い聞かせてます)

3、EQ(イコライザー)
男声と女声で多少の違いはありますが、楽曲のミックスと同じように、ボーカルにとって不必要な音域を削るのは必須作業です。
また、各周波数帯を上げ下げする事によって、ボーカルの抜けやキャラクターが大きく変わってきます。とても奥が深いです…
詳しくは『ボーカル ミックス EQ』とかで検索するとたくさん出てきます。人によって書いてる事が結構違うので、いくつか見て回るのが吉。

4、コンプをかける
パラメーターの設定に関しては、こちらも奥が深すぎるので割愛。僕もまだまだ勉強中です…。
コンプをしっかり設定する事で、音量の小さい部分と大きい部分の差が減り、聴きやすいボーカルになります。

ちなみに、人間らしいノリや雰囲気を活かしたい場合は、前述の手コンプでしっかり音量を均しておき、こちらのコンプは軽めにかける方が良いと思います。
エレクトロな楽曲ではあえて深めにコンプをかけてニュアンスを変える事もあるようです。

5、その他各種エフェクト
リバーブやディレイをかけると、オケとボーカルがうまく馴染んだりします。
一般的にリバーブを深くかけると音が奥に引っ込むので、コーラスはメインより少しだけ深めにリバーブをかけたりします。
コーラスと言えば、『Chorus』というエフェクトをかければ音がぼやけてそれっぽさが出たりします。


バランスの調整



音色が定まったら、最後に曲を流しながらはフェーダーを上げ下げして音量のバランスを調整します。
とは言っても、これまでの手順のどこかでいつの間にか調整してたりするので、本当に仕上げの微調整といった感じです。

音量以外にもエフェクトのかかり具合だったり何やらも「本当に大丈夫?」みたいな感じで見直します。
ここからは本当に自分の耳との戦いだと思ってますw
後悔しないように納得いくまで頑張ります。

納得いく出来になったら、依頼された作品の場合は一度デモとして聴いてもらい、場合によってはマスタリングして納品!となります。


マスタリング



マスタリングに関して、僕は、MS処理をして、左右真ん中それぞれに、更にコンプやEQをかけたりします。
やりすぎるとこれまでの苦労してとったバランスが台無しになるので、本当に薄~くやります。
で、最後に2mixにマキシマイザ―を挿して、音が潰れないポイントまで音圧を上げて終了です。

ちなみにMS処理とは、オーディオを左右と真ん中の計3つのトラックに分離する処理の事を言います。
この処理を行う事で、2mixの音量レベルをあまり変えずに、左右の音が広がり音圧が上がったように聞こえます。
マスタリング用のプラグインに付いてたりするみたいですが、一応そういったものがなくても『位相の反転』という機能があれば出来たりします。

ただ、左右の音にはディレイやリバーブの残響成分が多く存在してるので、その辺りをうまくカットしないとミックスで苦労して取ったバランスが崩れる…かもです。奥が深いです…。

マキシマイザ―はどのDAWにもついてるのかな?
アウトプットをゼロdb(または-0.1db)に設定しないと音割れするので注意です。

まとめ



思ったより長くなってしまいましたが、書いた事によって自分の中で情報を整理出来たので良しとします←
他にもこまごまとした事たくさんやってるんですが、とりあえずこんな感じの事を意識してやっております!

「いやいや、ここ違いますよ!」
「これどういう意味よ?」
「ここもっと詳しく!」

などありましたらお気軽にコメントくださいな!
では今回はこの辺で。

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